新しいお菓子の方向性が見えてきたのが前回までのお話。
そこから、商品化に向けて具体的に話を進めていきました。
これまでの商品と違い、「ボリボリ」は初めてゼロから生み出すお菓子だったので、決めていかなければいけないことが無限にありました!
無限というのはちょっと言い過ぎだけど、
商品のターゲットとコンセプト、お菓子の大きさ、形、色、個数、パッケージのデザイン、価格設定などなど、決めなければいけないことがたくさんあった!
(「かりころ餅」のときは、形も色も変えられないし、値段もかんころ餅がベースになっているので、とても進めやすかった🤣)
でもでも、商品を生み出す上で、最初の方向性は、商品の命運を左右する非常に大事なポイント!焦らずじっくり、赤と緑で煮詰めていきました。
せっかく世に出すなら、花野果の商品として長くたくさんの方に愛していただきたいですもんね。
どんなお客さまに、どんなシーンで買ってもらいたいか、どんな価格帯だと買ってもらいやすいか、そして私たちが無理なく作り続けることができるのか。
いろいろ考えるべきことがある中で、最も答えを出すのに時間がかかったのが、パッケージデザインでした。
パッケージデザイン。
それこそ無限の可能性を秘めた分野で、商品の売れ行きを左右し、その一方でこだわればこだわるほどパッケージの値段が上がって商品の値段も高くなるという、そのバランスの難しさ。
パッケージデザインを専門にされているデザイン会社も多々あるし、それだけ需要も重要性も高いのだけど、デザイン会社に丸投げしたらパッケージ代高くなってしまう!
一つ数百円の商品。子どもたちがお小遣いで買えるお菓子を作る私たちにとって、パッケージ代が高くなるのは、商品代が上がるということで、これまでのお客さんが買いにくくなるということにつながります。なんとかコストは低く抑えたいけど、でもちゃんと見た目にもこだわりたい!
私たちは、2018年に2代目花野果を受け継いだときに、花野果のロゴと、「手のひらカンコロ餅」という商品を作りました。
この時にロゴとパッケージのデザインをお願いしたのが、当時上五島にいらっしゃったデザイナーの佐藤重雄さんで、東京に拠点を移されてからも「かりころ餅」から花野果の店舗看板、のぼり旗や包装紙まで、主要なデザインは全て佐藤さんにお願いしてきました。
佐藤さんが作ってくださった「2代目花野果」のロゴ。彫刻刀を使って、手彫りで作ってくださいました!大切な宝物です。
▶︎佐藤重雄デザイン事務所
佐藤さんは「男子ごはんの本」のデザインを立ち上げから担当されている有名デザイナーで、私たちも佐藤さんのセンスに憧れるファンなのです笑
佐藤さんは、花野果の立ち上げを見守ってくださった方であり、私たちのキャラクターや方向性をとてもよく理解し、その上でいつもデザインを提示してくださるので、絶対の信頼感がありました。
でも、何もないところからいきなりパッケージを作ってください!なんていうと佐藤さんを困らせてしまいます。
パッケージはどのくらいの大きさで、どんな型で、どんな素材で、そこにどんなイメージを落とし込むか。
決めることはたったそれだけなのですが、私たちのイメージを言葉にする作業が、難しいというより、怖かった。この方向性でいって、お客さんの目に留まるかな、手に取ってもらえるかなと考えだすと決めきれず…私たちが目指すお菓子の最適なパッケージにたどり着くまでに、一年以上かかりました。
もちろん、繁忙期で手付かずだったり、挫折期間も含めております😂
佐藤さんに正式オーダーできたのは、今年の5月1日。パッケージも中身のボリボリも、そこから一気に商品化に向けてカタチになっていきました。
まだまだ試作段階のボリボリ。いろんな大きさや形、厚さで作っては食べてを繰り返しました。
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