今日は週末のイベントに向けて、朝からひたすらかりんとうを揚げていたさなえ&さっぴぃです。今日はとても涼しい1日でしたが、かりんとうを揚げていると汗がじわりと滲んできます。真夏にはいったいどうなるんだろう…。先代たちが首にタオル巻いて、半袖をさらに捲り上げてかりんとうを揚げていた姿を思い出します。今から夏に向けて体力つけておかないと(^^;;
このブログを立ち上げた時から、早く書きたい!と思っていた私たちの新商品「手のひらカンコロ餅」について今日は書こうと思います。早く書きたかったのですが、いろんな思いが詰まった商品なので、ゆっくり腰を据えて書きたいと思っていました。少し長くなるかもしれませんが、お付き合いいただけると嬉しいです。
昨年春に、さっぴぃと私で花野果を受け継ぐことを決めたとき、絶対にやりたいと思っていたことが2つありました。1つは島の素材を使って新商品を作ること。もう一つが、お土産用に手配りできるカンコロ餅の販売でした。
一般的なカンコロ餅は、大きな羊羹のような形(ナマコ型とか棒とか言われます。ちなみに私はナマコと呼んでます)で、包丁で切って食べられています。硬くなるととても切りにくく、冷凍保存をすると長持ちするのですが、解凍してさらにカットするという手間がかかります。とても美味しいのですが、たくさんいただくと困ってしまうお菓子という印象がありました。
販売されているカンコロ餅もほとんどが200〜300gのナマコ型で、1つでもなかなかの重量感。たくさん買うと重いし、1つだと切り分けないといけないし、お土産として少し選ばれにくい形をしていました。「食べやすくて配りやすい、お手頃サイズのカンコロ餅があったらいいのに」。さっぴぃも私も、花野果を継ぐずっと前から、そう思っていました。
カンコロ餅を取り巻く環境も、少なからず影響していました。
私たちが暮らす新上五島町は、全国的に見ても人口減少の著しい町で、過疎化も高齢化もものすごい勢いで進んでいます。上五島はとても急峻な地形で、かつては生きるために山を切り開き、段々畑でサツマイモを育てていたのですが、高齢化で農業人口が減り、カンコロ餅の原料でもあるサツマイモや、保存のためにサツマイモを茹で干しして作る「かんころ」の作り手もどんどん減っています。
上五島の代表的な食文化である「サツマイモ」や「かんころ」をなくしたくない。
2人とも移住者だけど、この島のことが好きになって、島を元気にしたいという思いはとても強くて、自分たちにできることを考えたときにたどり着いたのが、「サツマイモを育ててかんころを作って、カンコロ餅を作り続けよう」ということでした。
カンコロ餅の弱点は、知らないと食べ方が分からず、観光客に買ってもらいにくい部分だと思いました。食べるととても美味しいです。でも、初めて見た人に食べてもらうまでのハードルが高いと感じていました。一方で、見方を変えれば、まだ食べたことがない人にファンになってもらえれば、もっともっと需要は増える可能性があるということになります。そうなれば、サツマイモやかんころの需要も増え、生産者が増えれば、この島の食文化を少しでも維持できるのではないかと思いました。
そんな大きな夢を膨らませつつ、昨年は先代の仕事ぶりを間近で見て、カンコロ餅などの作り方を必死で覚えました。今年1月に入って、初めて2人だけでカンコロ餅をつきました。そこから新商品のカタチや販売方法について、具体的に何度も何度も試作と話し合いを重ねました。
パッケージのデザインは、私たちが普段から愛用している「GOTOキャップ」を制作している島内在住の凄腕デザイナーShigeo Satoさんにお願いをしました。
Satoさんの提案で、カンコロ餅にネーミングを付けることになりました。いろんな候補があったのですが、「小さいサイズ」「手配りしてほしい」「手作りの味」などの意味を込めて、「手のひらカンコロ餅」と名付けました。
そしてようやく、2代目花野果の門出とともに、新商品の販売をスタートすることができました。
「手配りできるカンコロ餅を作りたいね」
花野果を継ぐと決めてから1年、ようやく実現することができました。
私たちの夢と、大げさかもしれませんがこの島の未来が詰まった「手のひらカンコロ餅」。初めて自分たちの手のひらに乗せたときは、さすがに熱いものがこみ上げました。それと同時に、この商品をたくさんのお客様に届けなければいけないという責任感もずしりと感じたのでした。
まだまだ駆け出しの私たちと、生まれたての「手のひらカンコロ餅」ですが、先代の味をしっかり受け継いだ素朴な美味しいカンコロ餅です。
末長く愛される商品にしていきたいと思っています。
どうぞご贔屓に、よろしくお願いいたします。
【手のひらカンコロ餅】
1個 160円(税込)
1箱 1,080円(税込)
上五島では、スーパー「カミティ」、直売所「メルカピィ」でお買い求めいただけます。
ご注文や配送も受け付けております。ご希望の方は、お電話やこのHPのお問い合わせフォーム、2代目花野果のFacebookページにご連絡くださいますようお願いいたします。
今後はこのHPにお買い物ページを作る予定です!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
最後に手のひらカンコロ餅のベストショットを1枚。
大好きな桐教会前の海を背に。
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