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手のひらカンコロ餅
長崎県五島列島

潮風が薫り、椿が咲き誇る、長崎県五島列島。

この島への恋が生んだ、伝統が息づきつつも新しい名物。

それは、この島に恋をしたことから始まりました。

岡本&竹内

はじめまして。私はこのホームページの案内役であり、花野果(ハナヤカ)のメンバーとして商品企画と広報活動を担当する竹内と申します(緑のほうが私。赤いほうは代表の岡本です)。

ここは、長崎県本土から離れた五島列島・新上五島町。花野果の工房は、美しい五島灘の景色を見渡す丸尾という地区にあります。

この島には、独特の歴史や文化、ゆったりとした時間の流れ、自然が織りなす美しい景観があります。それらに魅せられた、県外からの移住者も少なくありません。

かく言う私もその一人です。そうした島の魅力がとりわけ鮮烈だった私は、それこそ恋にも似た気持ちで、水平線を上る朝日を浴び、波の音に耳を傾け、四季の移ろいに包まれて毎日を過ごしています。

素朴な味わいに宿る、この島の歴史。

かんころ餅
かんころ(干し芋)

この土地には、いくつものカトリック集落や教会が点在します。江戸時代、キリスト教弾圧を逃れるために本土から逃れてきたカトリック信者たちが、山を切り開いて畑を耕し、痩せた土地でさつまいもと小麦を育て、命と信仰を繋いできました。芋を茹で干しにした保存食を家の床下に掘った穴で保管しながら、次の収穫期まで日々必要な分だけを家族で口にしていた、そんな慎ましくもたくましい人たちがいたからこそ、この島のいまがあります。

そんな人々を祖先に持つこの島のみなさんは、干し芋のことを「かんころ」と呼びます。収穫期には、さつまいもを切って茹でて干して……といった風物詩的な光景があちこちで見られます。

そうして干し上がったかんころを餅米とつき合わせたものが、かんころ餅。やさしい味わいは、愛らしい響きのとおりです。

地域の食文化を受け継ぐことで、この恋を実らせたい。

江袋集落(北魚目)
北魚目の文化的景観
漁生浦の夕日
桐教会

かんころ餅こそ、この島の苦難の歴史と深い信仰を伝えるうえで欠かせないものが集約された、ほかにはない食文化。

私と花野果のみんなは、この島が好きです。かんころ餅を食べて育ったわけでもなければ、なにか特別な思い出といったものもない私ですが、この島に残る慣習やしきたりが、これからもずっと続いていってほしいと願っています。

そのために私たちができることは、この地域を物語る食文化を残すことにほかなりません。いま「これまでになかったような、新しい形のかんころ餅を商品化したい」という少々欲張りな気持ちも支えにして、島のみなさんの助けも借りながら、私と仲間なりの取り組み方でこの島への想いを実らせようとしているところです。

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