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かんころ餅を作り続ける。未来へとつなぐためにに。

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私たちは、かんころ餅が大好きです。

つきたてのモチモチしたかんころ餅も、トースターで焼いてふわふわトロッととろけるようなかんころ餅も大好きです。

かつて、この島ではサツマイモが主食でした。サツマイモは寒さに弱く、冬になると多くが腐ってしまいました。そんなサツマイモの保存手段として編み出されたのが「かんころ」でした。サツマイモの皮をむいて薄く切り、釜で茹でてやぐらに並べ、北風に1週間ほどさらしてカリカリに乾かして「かんころ」を作りました。正月には、当時はとても貴重だった餅を蒸したかんころと一緒に杵と臼でつきあげ、かんころ餅を作りました。1年で正月にしか食べられない、とても贅沢なおやつでした。

 

近年では、かんころと餅に砂糖を加えた甘いかんころ餅が島の特産品として愛されており、

島を離れた子どもや親戚への贈り物には欠かせないものになっています。

 

しかし、この「かんころ餅」が容易に手に入らなくなる日がすぐそこまで迫っています。

 

上五島では、高齢化により耕作放棄地が拡大しており、サツマイモの収穫量が年々減っています。追い打ちをかけるようにイノシシに収穫前の芋を食べ尽くされる被害が増えており、サツマイモの栽培をやめてしまう世帯が増えています。11~12月になると、家々の軒先ややぐらにかんころを干す風景があちこちで見られ、年の瀬には各家庭でかんころ餅が作られていましたが、その数もうんと減ってしまいました。

 

花野果では先代のころから、年末になると地域の人たちが自家製のかんころを持ってきて、かんころ餅に加工する「受託生産」の注文がたくさんありました。かんころの減少で注文の数は少しずつ減ってきていますが、それでも今でも多くの方が自家製のかんころを私たちに託してくださいます。

 

私たちが「花野果を継ぐ!」と決めたのも、かんころを作り、かんころ餅を楽しみにしている多くのお客様がいたからでした。そして、上五島の歴史が詰まった「かんころ餅」を後世に伝えたいという強い思いがあったからでした。

 

少しずつでもサツマイモを自分たちで育て、かんころを作っていく。

​杵と臼を使い、昔ながらのかんころ餅作りにこだわり続ける。

まだかんころ餅を知らない人にも食べていただけるように、新しい商品作りに挑戦する。

 

これから先の時代でも、かんころ餅を食べて笑顔になったり、家族の団欒が生まれたり、そんな日常が続きますように。

私たちは、そんな未来を夢見て、かんころ餅を作り続けます。

さつま芋畑
さつま芋の皮を剥きます
剥いた芋をスライスします
スライスする道具です
スライスした芋を茹でます
茹で上がった芋を1枚ずつ並べます
並べ終わった芋
どんどん干し上がっていきます
かんころができました
お餅と撞き合わせて形を整えます
みんなで形にしていきます
一つひとつ、手作業です
きつい立ち仕事も笑顔で!
延ばして棒状にします
かんころ餅のできあがりです
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